全身麻酔での歯科治療

我が家の『虫歯事件』は全身麻酔での歯科治療という方法で、無事解決したわけですが、こんなに大がかりな治療をしなくても本当は近場の歯科医院で手早く済ませたかったというのが本音です。でも発達障害児が虫歯になると本当に大変なんですっ (泣)。
全身麻酔での治療は危険だという方もいますが、本人の精神的負担を軽減するための手段のひとつとして知っておいてもらいたい方法です。

(注)決して全身麻酔の治療法をお勧めしている訳ではありません。どうしても治療ができない場合の最終手段ということで・・・

発達障害児が虫歯になると大変!


発達障害児のなかには、こだわりや感覚の過敏さがあるために、口の中の衛生状態を保つことが難しい場合も少なくないそうです。

いったん虫歯になってしまうと、治療して患部を取り除かない限り虫歯は進行してしまいます。

歯科治療では、お口の中で先の尖った鋭い器具をしばしば使います。
これが子どもにとっては恐怖心をあおるようで、頭やからだを大きく動かしたりして、治療中に怪我しないかとドキドキしました。
障がいのあるお子さんは、不随意運動といって自分では意識しなくてもからだが自然に動いてしまったりすることがあるそうです。

そうなると、このように動かずに治療ができなかったり、治療後に精神衛生上悪影響を与える恐れのある場合、全身麻酔を行った方が安全にできると歯科医院は判断します。
特にパニックを起こしたり、感覚に過敏がある場合は、歯科医院も無理な治療は行わずに専門機関に対応をゆだねる場合が多いようです。

全身麻酔での歯科治療


では、具体的にはどのような感じかというと...

麻酔ガスを使います


あらかじめマスクで麻酔ガスを吸って本人が眠ってしまった後、気管の中に細い管を入れて麻酔ガスを送って眠らせます。治療の際にかみ合わせの調整が必要となるため、鼻から管を通す場合が多いそうです。(わが子もそうでした)
本人は眠ってしまってのことなので、痛みはなかったようです。

モニターで管理しながらの治療


全身麻酔では、全身状態をモニターで管理、コントロールしながら歯科治療をします。
麻酔ガスによる麻酔は決して簡単ではなく、専門の知識や技術が必要ですが、麻酔の深さの調節がしやすく治療も行いやすい方法だそうです。治療の間、麻酔医によって子どもの全身状態は全て管理されています。治療が終わるにつれて麻酔の深さも徐々に浅くなるように調整されているので、治療が終われば麻酔からさめるのにはそれほど時間がかかりませんでした。

麻酔から覚めるとき


麻酔から覚めるときは、元気な声で泣いたり、きょとんとした顔で周囲を見まわしたり、いつも通り寝起きが悪くて興奮して泣きながら激しくからだを動かしたり手足をバタバタさせたりするお子さんなど、それぞれのタイプがあるそうです。

トモの場合は、すんなり起きたのではなかったかと思います。

全身麻酔治療を受ける前に気をつけたいこと


麻酔ガスによる麻酔は、専門の知識が必要になります。

安全に治療を受けるためには、患者さんの全身状態を知る必要があります。いきなり麻酔をすることは大いに危険が伴います。

術前検査


全身麻酔を受けても大丈夫かどうかを調べるために、術前検査を行います。
麻酔ガスによる全身麻酔ですので、かぜなど喉や鼻の状態がおかしい場合やアレルギー状態、咳き込む可能性がある場合などは治療や麻酔が延期になったりします。
また、貧血があると、麻酔ガスと共にからだの中に運ばれる酸素の量が少なくなり危険な状態になることもあるそうです。
そういう危険を避けるためにも予め血液の検査や胸のレントゲン検査などが行われます。

風邪には要注意


全身麻酔での治療は、専門性が高いために施術できる病院が少なく、予約しても数カ月待ちです。
せっかく予約しても治療が延期される場合があります。そうなると、半年以上も待たないといけません。

治療が延期される最も多い原因は風邪です。熱がある場合や咳、鼻水などの症状がひどい場合はもちろんですが、今の症状が軽くても風邪薬を最近まで飲んでいたときや風邪が治って間もない場合も含まれます。
やっと予約したのに、風邪くらいで延期になるなんて・・・と思うかもしれません。どんなに短時間の治療でも、当日は食事や水分を制限されます。お子さんは特にそれだけでも体力を消耗させることになり、治りかけていた風邪が治療の後に悪化して高熱が出たり、肺炎などを起こしたりしてお子様が苦しむことになります。全身麻酔下での治療はお子様の体調が良いときに行うのが一番です。

風邪以外では、次のような場合も延期になることがあります。
下痢をしている、発疹がある、家族やお友達が、水疱瘡、風疹、はしか、おたふくかぜなどにかかっている場合などです。

施術前は飲食禁止


施術前は、半日程度「飲食禁止」になりますので、ご注意ください。
発達障害児の中には、我慢できずに食べてしまう子も多いと思いますが、胃の中に食べ物が残っていると、戻したりしたものが気管に詰まったりしてとてもキケンです。
絶食中はお腹がすいて暴れたりするかもしれませんが、心を鬼にして気分転換させてあげてくださいね。

せっかく決断した全身麻酔での治療。体調管理に気を付けて、無事終わりますように・・・

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