発達障害児と生活するためのひと工夫
2歳半の頃にトモは「自閉症」と診断されて療育が始まりました。
でも今思えば診断前から自分なりに工夫をしてきたことが沢山ありました。
我が家の発達障害児を中心とした生活の原点をいくつか紹介します。
「この子はボクのお友達♪」友達を認識させる
トモが1歳前後の頃の話です。
この頃には、わが子に人づきあいの苦手さがあるなぁ・・・
ということをなんとなく感じていたのかもしれません。
当時は社宅に住んでいたのですが、一緒に遊んでくれるお友達を家に招いたりしていました。
この「ひと手間」が、トモにとって「この子はボクのお友達♪」と認識する大切なステップでした。
それ以外の友達とは、公園で会っても一緒に遊ぶことはありませんでした。
2歳の誕生日をむかえる頃、引っ越しをしました。荷物が片付かないうちから積極的に友達づくりをしました。荷ほどきの間、トモを独りぼっちにしてしまうのがかわいそうだと思ったのもありますが、友達作りに関してトモと他の子の違いがなんとなく気になっていたのかもしれません。
幼稚園に入るころには、そんなひと手間は必要もなくなりましたが、今思えばどうしてそういうことを思いついたのか、不思議です。
それくらい当時は必死だったのでしょうね。
地図帳を活用して会話
「言葉が話せない」というのが、トモと自閉症を結びつけた大きな要因です。
それでも、母と子の間には、独自のコミュニケーションがありました。
たとえば「地図帳」。
地図帳には地図記号が載っています。我が家が購入した地図帳には、コンビニのマークやスーパーのマークがいっぱい載っていました。
発達障害児は、マークに強いです。これは発達障害児の大きな特徴ともいえます。
トモもそうでした。
バスに乗ってお出かけすると、家に帰って地図帳を開いて場所を教えます。
そのうちに、「何ページに○○スーパーが載っている」と日々の生活に必要な場所はすっかり覚えてしまいました。
そのうちに朝ごはんが終わると、トモは私のところに地図帳を持ってきて、ページを開いていきたいところを指差します。それで、今日の予定が決まるのです。
それから、数字も大好きでした。お風呂用のスポンジのパズルが当時のお気に入り。
どうやって遊ぶのかと言うと・・・
大好きなバスの行き先番号を作って私と会話するのです。
「『95番』の○○行きに乗りたいんだね?」と乗りたい番号の意思表示をすることもあれば
「『6番』の△△行きに乗って帰ってきたね」などと乗ってきた番号の確認をすることもあります。
当時3歳にトモにはこれで十分会話が成立していました
周囲の人にはわからないかもしれませんが、言葉はなくても当時の私たちは、これで会話をしていました。
今思えば、懐かしい思い出です。
「友達を家にさそう」「地図帳で会話」などは、日々のトモの様子を観察していて気が付いたものです。
言葉が伝わらなくても、子どもの様子を観察していると「好きなこと」「苦手なこと」が見えてきます。
こういった子どもの特徴を見つけるということが、発達障害児とのいいコミュニケーションのポイントとなるのではないでしょうか?
悪い所よりもいいところを沢山見つけて長い目で見守ろう!
誰でもそうだと思いますが、怒られたり注意されたりすることが続くと嫌になってしまいますよね。褒められた方がうれしいし、やる気も出ます。
発達障害児も同じです。
いいところは褒める、できたことを認めてあげることは、今後の発達に大きく影響します。全体的に発達は遅めでも、少しずつできることが増えていきますので、長い目で見守っていってあげてください。
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